Developers.IO 2019 東京に参加した。その時のメモ。
「今」のAI技術と「3年後」のAI技術のご紹介 – 清野剛史(せーの)氏
・人間の進化と技術の進化は似ている。
・コンピューターの進化(GPU)によって第3次AIブームがきている。
実は1950年の第1次AIブームにもニューラルネットワークはあったが、コンピューターの性能が追いつかず机上の空論だった。
・AI > 機械学習 > 教師あり学習 > ディープラーニング
・AWSではアルゴリズムを学習・育成させるものを機械学習、ユーザに付加価値を与えるビジネスロジックをAIと呼んでいる。
・re:MARSは、機械学習(Machine learning)、オートメーション(Automation)、ロボティクス(Robotics)、および宇宙(Space)産業で活用されるAI技術の未来を拓くイベント。
そして宇宙飛行士は無料。そこで見てきたAIの今をベースにお話する。
Robotics
・社会問題の解決がトレンド。
Boston Dynamics Spot(高級車くらいの金額)・Amazon Prime Air(Amazonの作った自動配達ドローン)・Amazon Scout(自動配達車)・Arm Robot(異常がある製品を取り除く)など。
Automation、Machine Learning
・画像、動画認識がトレンド。
人身売買の写真から、その人がどこにいるのか?(毎日6人くらい解決されている)
・Amazon GO
ウォークスルー。レジに並んでお金を払わなくてよいという価値観。
今後流行りそうなもの
・あなたのための価値。レコメンドよりも、あなたの肌にオススメの化粧品を調合します、となるととても魅力的。
・人は究極に自動化された牛丼屋には500円しか払わないが、あなたのためのワインなら5万円払う。
3年後にAIが目指すもの – Ambient Computer
・コンピューターの存在を感じさせない。
・チャンネルを変えたいと思ったときにリモコンではなく、勝手に変わるようなシステム。
・デバイスは徐々になくなっていく。
・AIが人間の欲望を推し量って、自動的に対処される。
・具体例:BMI(Brain-machine Interface)
脳波を測定して現在はリストバンドで管理可能。
日本語で考えたことを英語にするなど、最終的には脳波と脳波で会話できるかも。
・EMG(electromyography):筋電位を利用して、キーボードをタッチすることが可能。曖昧な情報を明確にするためにもAIが必要。
3年後のための前提条件
・以下によってネットワークが整備され、そして、全てがネットワークに繋がり、互いに通信し、AIが人間の代わりに指示をだすように。
・5G
・Amazon Sidewalk(920MHzを利用する。デバイスを持つことでメッシュでつながり、通信できるようになる。テストしたところカルフォルニア全域をカバーできた。)
・Project Kuiper
人工衛星を地球近くで飛ばし、どこでもWi-Fi利用ができるようになる。
・電子コンピューティング
特定の計算について、すぐに完了するようになる。
10年後のAI技術 – AGI
・汎用AI。今までは特化型AIだったが、設計(基本的なルール)を学習できる。
例えばAlpha Goはまず囲碁のルールを叩き込んで(ここが設計)、棋譜を学習させる。
つまり脳全体をシミュレートしようとしている。(WBAアプローチ)
・2029年に1人の脳に追いつき、2045年に人間全体の脳に追いつくと言われている。
Amazon CultureとAWSの設計思想 ~マイクロサービスアーキテクチャとアジャイル開発~ AWS亀田治伸 氏
・本という商材について
腐ることはなく、一定の需要があり、模造しやすい。
・販売するためにAmazonができ、そのためのインフラができ、そしてAWSを提供することになった。
・顧客によって納得感は違う。同じサービスでも満足する人もいれば、そうでない人もいる。
・そのため社内ではWorking Backwardsという顧客に対しての基準を設けている。
ビジョンに徹底的にこだわる
・Kindleは批判された。本よりも重いから。
ただテーマは世界中に1分で本を届けるためには、だった。
・AWSも最初は批判されたが、開発者の作業を阻害しないITインフラをというテーマを貫いた。
失敗すること
・大きな失敗をしなければ新しいビジネス(やその起爆剤)は生まれない。
・失敗した場合はAmazonルールに従って、結果をまとめる。
・株主は、Amazonが失敗しなくなったら、Amazonは問題のある状態だと認識したほうがよい。
・評価システムとして、すべてのKPIを達成すると、年初の目標ができそうなことを立てたと非難される。
PowerPoint禁止
・担当者がいなくなるとわけがわからなくなる。
文書であれば本人がいなくても存続する。基本的にはそのまま公式文書になりチームとして管理することになる。
また講演者と聴講者のリズムに依存してしまう。
マイクロサービス化
・システムが一枚岩であり冗長や古株に確認しなければデプロイできない状況となっていた。
つまり新参者がやりたいことをやれない世界になっていた。
そのためマイクロサービス化を目指した。そこで Two-Pizza Teams といった概念が生まれた。
・顧客へ提供しうる価値の最大化を目指すべきであり、それによってドキュメンテーションのサイクルを決めたほうがよい。
・マイクロサービスは疎結合なAPI連携で結合する。
・APIへの改修については、基本的に挙動がかわることになるため、実はアジャイル開発よりも、ウォーターフォール型のほうがよいのかもしれない。
・組織分割できないのであればマイクロソフトアーキテクチャは適用しないほうが良い。
最近のAuroraのアップデート使いこなし術 〜 ServerlessやMulti-Masterどんな時に利用する? 〜 大栗宗 氏
・AuroraはAWS史上最も早く成長したサービス。
・大量アクセス時にスループットが向上する方針で開発されており、ワークロードによってはオリジナルのほうが早いことも。
・内部アーキテクチャは英語論文を読めば理解できる。
Aurora Serverless
・2019年5月30日にAurora MySQL ServerlessのData APIが一般公開された。
・DBインスタンスを意識せずに自動でスケーリングする。(アプリケーションインパクトはない)
・Databese Endpointとインスタンスの間にRequest Routerが入り、切替時に一時的にアクセスを停止させることで、オンラインで自動スケーリング実施可能。
(アクセスが一瞬停止するため、ユーザは一瞬遅くなったと感じるかも。)
Aurora MySQL ServerlessのData API
・AWS API経由でAurora Serverlessにインターネットからアクセスできる機能。
・AppSync経由でVPCの外側からAuroraにアクセスできるのがメリット。
Custome Endpoint
・今まではインスタンスエンドポイント、クラスタエンドポイント、リーダーエンドポイントがあった。
・エンドポイントを指定して、独自のエンドポイントを作成可能。
・重いSQLを投げるDBインスタンスを分散させたいときに便利。(今までは重いSQLのせいで他のSQLに影響を与える可能性があった)
Aurora Global Database
・ストレージをレプリケーションするイメージ。
・フェイルバック作業は大変らしい。
・RPO(目標復旧時間)が短く、低価格でDRサイトを実現する場合は便利。
Multi-Muster Cluster
・書き込み可能なDBインスタンスを複数作れるため、極めて高い可用性を実現する。
・DBインスタンス間で同データを更新すると書き込み競合が発生する。
・一貫性を持てる書き込み、読み取りが実現可能。
Active / Active 構成について
・書き込み競合を避けるために、アプリケーションに手を加えて、シャーディングでレコードによってアクセス先を変えるなどの対策が必要。
・アクセス先をランダムに負荷分散する構成は、デッドロックが発生する可能性が高いため避けたほうが良い。
夢の機能ではない
・現在最大2インスタンスであり、Readerが作成できないため、読み込みスケールアウトはできない。
・その他ロックの制限もあるため、適切なワークロードの場合のみ利用する必要がある。
展示会で知ったこと
・AWSの保守運用の裏側には、JIG-SAWさんが担当しているらしい。
・CloudWatchLogs Eventを利用して、LambdaからSSMを実行など。LambdaにStep Functionsという機能もあるらしく、こういう機能を利用することでcronの代わりになるかも。
・IoTするためには電源問題がつきもの。振動などで自動的に発電するエンオーシャンという技術があるが、スタートアップには厳しい金額らしい。
・認証についてBtoCであればAuth0、AWSサービスで連携したいときはCognitoがオススメ。
・WordPress運用が辛くなったらStaticPressで静的ページにしよう。