新しい経営学を読んだときのメモ

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新しい経営学 – 三谷宏治氏を読んだ。具体例が多く理解しやすかった。心に残ったものを記す。

経営学の全体像

・経営学は6分野の寄せ集めと言われる。経営戦略(どうありたいか)、マーケティング(誰にどんな価値を届けるか)、アカウンティング(損益などお金の流れ)、ファイナンス(資金調達と分配)、人・組織(どういう塊にしてどんな役割をもたせるか)、オペレーション(価値提供のためにプロセス、仕組みを作る)。
・ビジネス(現実)を単純化したものがビジネスモデル。本書ではターゲット、バリュー、ケイパビリティ(バリュー提供能力)、収益モデルの4つでビジネスを語る。

バリュー

・「ドリルを買う人が本当にほしかったのは穴そのものだ」とよく言うがDIYが盛んである場合の親のウォンツは「子供と一緒にやれて自慢できる仕事」なのかもしれない。
・ヤンマーのトラクター(YTシリーズ)はデザイン性が高い。農業従事者の平均年齢は67歳であり、機能や価格よりも孫や後継者に「かっこいい」と思われる方が大切だった。
・B2Bサービス価値は、そのサービスを利用したときに自社全体のQCDSはどう変わるか。

収益モデル

・インターネット収益モデルの1つのフリーミアムはお金を払うのはごく一部で残りは無料で良いという考え方。(クックパッドの有料ユーザや課金アイテムなど)
・レーザープリンタとトナーなど本体を安くしてサービスを高くするのが替刃モデル。AppleのiPodやiPhone(アフターサービスは無料)など本体は高くサービスが安いのが逆替刃モデル。
・ポータルモデルを作ったYahoo!について、ロボット型検索エンジンとキーワード広告への転換に遅れた結果、4年後輩のGoogleに抜かれた。

AI

・ゴールドマン・サックス証券はAIによって本社のトレーダー600人を2人に減らした。
・1850年前後のカリフォルニアゴールドラッシュ時に一番儲けたのはワークパンツを提供したリーバイス。AI活用も同様でその道具を使って課題解決にあたれるケイパビリティが必要となる。

経営戦略

【おとり効果】明らかに選ばれない商品をいれると売りたい商品が売れる。
・無闇に高いCEOの報酬は不合理に見えるが、全従業員がCEOの高給を目指して努力するため、その観点では合理的。
・人の活性化によって生産性をあげる研究をしたエルトン・メイヤーによると会社のルールを押し付ける厳格な上司よりも、チームや個人の状況に耳を傾け裁量権を与える上司のもとのほうが士気はあがり、生産性が向上した。
・戦略とは新しい市場コンセプトの案出(ブルーオーシャンを創り出す)とそれを実現するケイパビリティの創造。
・リーンスタートアップはムダなものをつくらないことが核。顧客に提供価値があるもの、学びになるものだけを実行する。それ以外はムダ。考えのないやってみようは会社を潰す。